北条夫人

北条夫人 辞世の歌

全てが繋がっていること このことを日常的に認識していた日本人の生死観念(共通した思考の次元)を良く伝えるものとして 心に残ります。


討たれて失(う)せし身の因果
 めぐり逢ふ敵(てき) 討(う)たんとするに


仇(あだ)をば恩に 法事の念仏 弔(とむら)はば
 終(つい)には共に 生まるべき


同じは蓮(はす)の 蓮生法師
 そは敵にては なかりけりは


跡弔(あととむら)ひて 賜(たま)び給(たま)へ
 跡弔(あととむら)ひて 賜(たま)び給(たま)へ


戦いに敗れて討たれて失われるのは、我が身の因果、めぐりあう敵は愛の逢瀬のようなもの。

その敵を討った仇さえご恩のひとつと感謝の念仏を唱えるならば、次の世では互いに仲良く生まれ変わることもできるだろう。

互いに同じ蓮の根につながる魂ならば、敵も味方もありません。

どうか、あとの弔いを頼みます。

どうか、あとの弔いを頼みます。



黒髪の みだれたる世を はてしなき
 おもひに契(ちぎ)る 露(つゆ)の玉の緒


今生では、乱れた黒髪のような乱世を生きることに成ってしまった。
けれど、きっと來世、平和な時代に生まれて、一緒に仲良く、長く一緒に暮らしましょう。



引用文献・参考文献

ねずさんの学ぼう日本 (2023/04/01 最期は夫と共に…17歳で詠んだ北条夫人の詩)

https://nezu3344.com

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